毎日土器への一歩
古い土器がすきだ。
からからの色も素朴な肌もおおらかな形も、土の中で長い間眠っていたのを揺り起こされた雰囲気も。
だから現代に土器をつくっている作家さんたちがいると知った時は、そして実際にそれを見たときは、とてもうれしくなった。
そっか、つくってもいいんだ。
現代のひとがつくっても、土器は土器だ。
でも土器を使うにはひとつ問題がある。
シモル(水漏れする)のだ。
焼成温度が低いため(陶磁器は1200-1400度に対して土器は800度前後)、焼き締まっておらず多孔質で、その性質を利用して土器を草木染めしているひともいるぐらいだ。
それでも蜜蝋に浸したり、何度も磨きと焼成を繰り返したり、漆を重ねたりとそれぞれに工夫を重ねて土器を食器として制作する先人たちを知るようになった。
まだ何をどうしていいのか分からないので、手始めに蜜蝋クリームを買ってみた。
細かめの土でかたちづくり、磨いて素焼きしたものに塗ってみようと思う。
小さいけれど毎日土器への一歩だ。